SSDを起動ドライブとしたマシン構成によっては、3.86秒という驚異的な起動時間を実現しているUbuntu 10.04(ベータ版)。通常のハードディスクや、仮想環境でも起動が速くなっていることが分かりました。
一方、基本性能を比較した場合でも、9.10でのテストではありますが、Windows7に比べてUbuntuが優位にありました。
急速な進化を遂げているUbuntuの重要な構成要素となるのがデスクトップ環境であるGNOME。半年毎のアップデートを繰り返し、このアップデートに合わせてUbuntuも年に2回リリースされるサイクルになっているわけです。そんなGNOME環境が標準となるUbuntuでは、非力なスペックの機種、古いPC、メモリを十分に割り当てられない仮想環境などの場合には、動作にもたつきが感じられることもあることでしょう。
「96MBのメモリで、Ubuntuで原稿書いてます!彼氏がWMを着替えたら」という記事で書いたように、デスクトップ環境を変える事で、パフォーマンスが劇的に変わります。
Linuxに対応する数々のデスクトップ・マネージャがリリースされており、Ubuntuでも多くが利用可能となっています。このように自分の環境、用途に合わせてあらゆる選択肢がある事も、Linuxの世界の素晴らしさの一つと言えるでしょう。
もちろん、高機能で利便性の高いGNOMEに比べて、軽量であるということは、それだけ利便性が低下するということになりますが、手間さえ惜しまなければ大丈夫。
今回はいきなりですが、劇的なパフォーマンス向上が実感できるFluxboxを紹介していきたいと思います。
私の場合、特に、Netwalkerのデスクトップとして、Netbookで仮想環境を用いる際に大きな恩恵を実感しています。
それでは、いつもの通り、まずは下準備から。
(1)下準備
まずは、Fluxboxデスクトップ環境と付随する便利なツール類をインストールしておきます。
通常のUbuntuデスクトップ(GNOME)上で作業を行います。
1、Fluxboxのインストール
「システム」>「システム管理」>「Synapticパッケージ・マネージャ」を開き、「fluxbox」で検索。

検索結果の中から、「fluxbox」、「fluxconf」にチェック」を入れてインストールします。10.04の場合、追加で消費する容量はたったの4.4MBです。
2、軽量ファイルブラウザのインストール
Ubuntu標準のファイル・ブラウザは「Nautilus」。実はこれこそが重い原因となっています。ファイルブラウザを軽量な「PCManFM」に変えるだけでも軽快感が大きく違うほどです。
同様に「Synapticパッケージ・マネージャ」から「pcmanfm」で検索し、追加インストールを行います。

3、Etermの追加
Enlightenmentというデスクトップ環境の端末エミュレータ。これを入れておけば、Enlightenmentの流れをくむFluxboxの背景画像を変更がスムーズに行えます。

4、設定ファイルの作成
PCManFMをスムーズに利用するために、設定ファイルを作成します。
ファイルブラウザの「ホームディレクトリ」を開いた状態で、空きスペース上で右クリック。
「ドキュメントの生成」>「空のファイル」を選びます。

ファイル名を「.gtkrc-2.0」とします。

このように先頭に「.」=ピリオドが付くファイルは隠しファイル。設定ファイルに用いられます。これをファイルブラウザで表示させるには、「表示」>「隠しファイルを表示する」にチェックを入れます。

「.gtkrc-2.0」をダブルクリック。テキストエディタが開くので、以下の通り記述して、保存します。
gtk-icon-theme-name=”Human”
以上で、下準備は終了です。
いったん、ログアウトします。
(2)Fluxboxでのログイン
ログインアカウントをマウスで選択し、パスワードを入力できる状態になると、最下部に表示が現れます。
この中の「セッション」の矢印アイコンをクリックして現れる一覧から「Fluxbox」を選びます。
この状態でパスワードを入力すると、Fluxbox環境へログインできます。

元の環境でログインするには、同様にして「GNOME」でログインすればOK。
用途や気分で、このようにデスクトップ環境をいつでも切り替えて使うことができてしまうのです。
ログインした途端、とてもシンプルなデスクトップにビックリすることでしょう。デスクトップ上で、右クリックすればメニューが現れます。
デフォルトでは、文字化けしてしてしまいますが慌てずに。。。

「Styles」から他のスタイルを選びます。半数ほどが日本語が正しく表示されますので、取り急ぎしのいでおきましょう。

(3)ネットワーク、キーボードアイコンなどが表示されるようにしよう
「アプリケーション」>「ファイル管理」から先ほど導入しておいた「PCManFM」を起動します。

設定ファイルをいじるので、「表示」>「隠しファイルを表示する」にチェックを入れておきます。
Fluxboxの設定ファイルは、ホームディレクトリの中の隠しフォルダ「.fluxbox」にまとめて格納されています。
この中を編集することで様々なカスタマイズが行えます。

この中の「startup」アイコン上で右クリック。「geditで開く」を選びます。

####記載例######
nm-applet &
#ネットワーク設定のアイコンが表示され無線LANにも接続できます。
gnome-power-manager &
#ノートPCのバッテーリー状況を表示。
###############
「#」記号はコメントとなり、実行されません。行の先頭にこの記号がないものがログイン時に自動でスタートされます。
「&」はバックグラウンドジョブとして起動させることを意味します。
(4)メニューを使いやすく編集しよう
デスクトップのどこでも右クリックすれば、即座に現れるメニューがFluxboxの機動性のメイン。
基本的にSynapticパッケージマネージャ(apt)で導入したアプリケーションは、自動的に「メニュー」に登録されるのですが、Firefoxを開くのにこれだけ階層が深いと不便ですよね。使いやすくカスタマイズしていきましょう。

先ほどの「~/.fluxbox」(「~」はホームディレクトリの意味)の中の「menu」をテキストエディタ(gedit)で開きます。

メニューに、アプリケーションを追加するには、次の要領で記述します。
[exec] (メニュー項目) {コマンド} <アイコンファイルの置き場所>
<> のアイコンファイルの置き場所は、絶対パスで指定し、XPM 形式のみ表示されます。
面倒なので、私は空にしてしまっています。
また、以下のようにして、サブメニューを追加することも可能です。
[submenu] (サブメニュー表示文字) {空} <空>
区切りを入れたい場合には、[nop] と記載すればOK。
設定が終わったら、「reconfigure]」を選びます。Fluxbox の設定をメニューで変えても終了するとその変更は失なわれてしまうことがあります。変更を確実なものとするために、reconfigure して後述の「init」に書き込む必要があります。さらに、「restart」を選ぶと、Fluxboxが再起動し、設定が反映されることでしょう。ちなみにこれは、システム全体の再起動ではなく、「リフレッシュ」という表現が本来適切かも知れません。
さて、メニューの変更方法のキホンが分かった所で、便利なツールを。
「アプリケーション」>「ターミナルエミュレータ」>「Gnome Terminal」を開いて、「fluxbare」と入力してEnterすると、3つのツールアイコンが現れます。
「fluxconf」は基本設定、「fluxkeys」はショートカットのカスタマイズ、「fluxmenu」はメニューの編集ツールです。
「fluxconf」は基本設定、「fluxkeys」はショートカットのカスタマイズ、「fluxmenu」はメニューの編集ツールです。
この編集ツールと併用することで、自分なりに使いやすくメニューの編集を行うことができます。
(5)背景画像の変更
「~/.fluxbox」の中には、「backgrounds」というフォルダがあります。この中にまずは、背景画像として使いたい画像を格納しておきます。

次に、Fluxboxの設定の中核となるファイル「init」をテキストエディタで開きます。
この中から「session.screen0.rootCommand:」という行を探し、この行に、「fbsetbg -f ~/.fluxbox/backgrounds/(背景画像名)」を記載します。
右クリックメニューの「Restart」で背景画像が変わります。反応が悪い場合、いったんログアウトして再ログインすると変更されます。
(6)ツールバーの位置変更とアプリケーション・ランチャーの追加
「ツールバー」上で右クリックして「配置」からツールバーの配置を変更できます。「上側-中央」で画像のように上部に変更できます。

Macのドックのようなアプリケーション・ランチャーは色々ありますが、最軽量なのが「wbar」。128MBのメモリ環境で使用していた事がありますが、十分に機能します。
- まずは、synapticから「wbar」を追加します。
- 次に、設定ツールを下記URLからダウンロード。ダウンロード後に自動で現れるgdebパッケージ・マネージャでインストールします。http://www.ihku.biz/wbarconf/ から「wbarconf_0.7.2-1_i386.deb」をダウンロードします。
- 「/usr/share/wbar/dot.wbar」を自分のホームディレクトリにコピーし、「.wbar」という名前に変えておきます。
wbarおよびwbarconfを導入したら、「アプリケーション」>「ターミナルエミュレータ」>「Gnome Terminal」を開き「wbarconf」と入力して起動します。
先ほどの要領で「wbarconf」もメニューに追加しておくといいでしょう。
wbarconfが開いたら、「Title」にメニューに表示される項目を、「Command」にはアプリケーションを起動させるコマンドを入れていきます。
コマンド名が分からない場合、「アプリケーション」>「ターミナルエミュレータ」>「Gnome Terminal」を用いて、「alacarte」と入力してEnterし、GNOMEのメインメニューを表示させます。ここで各アプリケーションの「プロパティ」を開くと現れる「コマンド」欄にある記載をコピー&ペーストすると簡単です。
wbarconfを用いて設定した項目は、「~/.wbar」を開いてみると、単純な記載であることがわかります。

「i:」アイコンの置き場所、「c:」起動コマンド、「t:」表示テキストという構成ですので、この要領で手打ちで記載していくのが手っ取り早いかも知れません。
以上がFluxboxの基本編となりますが、一見とっつきにくいFlaxboxも、仕組みさえ知れば簡単であることがお分かりいただけたかと思います。これにより、十分にデスクトップ環境として利用することができるかと思います。
より詳細については、下記の資料が参考となるでしょう。
参考
- Fluxbox 文書: http://fluxbox.sourceforge.net/docbook/ja/html/index.html
- Fluxbox はじめの三歩:http://www.geocities.jp/okumatsu_hiroshi/fluxbox_first_setting_okumatsu.html
- Fluxbox Information :http://www2.odn.ne.jp/add10/fluxbox/
*(5/5追記)「fluxconf」については、fluxbox-wiki.orgではこれをあまり推奨していないそうです。
このツールの開発はストップしており、特にfluxkeysについては、keysファイルを壊してしまうという重大なバグが放置されているそうです。
「なるべくなら使わないようにしたほうが安全」というご指摘をいただいております。
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