「Ubuntu 9.10のAndroid対応に期待が膨らんだ」のは、2009年春のこと。
Android Execution Environmentというプロジェクトも立ち上がり、大いに期待していたのですが、今はどうなっていることやら・・・
◆この年末から活況を呈しそうなAndroid周り
携帯電話のOSとしてデビューを果たしたAndroidは、タブレット、スマートブック、カーナビなどにも搭載されつつあり、この年末から来春にかけては新製品ラッシュが続く様相です。
携帯電話の大きさのアプリがUbuntu上で動いたとしても少しも便利とは思えませんが、10.1型の画面を搭載し、1024×600の解像度を持つ東芝のクラウドブック「dynabook AZ」のようなPCと同等の解像度で動く機種が増えれば、対応するアプリケーションも、多数登場してくることになることでしょう。


まぁ、現状では、携帯向けのアプリケーションがほとんどなので、このようにしてUbuntuで動かしても役に立ちそうなものは、さほど見受けられませんが、今後、対応機種が大画面化していくに従って、Ubuntuでも有意義に使えるアプリが増えるかも知れませんし、Ubuntu側ではWebブラウザだけで、便利に連携できることになるのかも知れません。
Ubuntuでも同じアプリが動いて、密に連携が図れるともなれば、利便性がさらに高まることだろうと思うわけです。
そして、アプリケーションだけでなく、小説、マンガ、音楽、動画・・・膨大な量のコンテンツが購入できるようになってくれば、個人としての楽しみが増えるのはもちろん、魅力的なビジネスマーケットが活性化しそうです。
◆Androidアプリを動かすだけならJava + SDKでOK!
さて、9.04の当時、UbuntuでAndroidの開発環境を構築する手順を書いたことがありますが、単にAndroidのアプリケーションを動かすだけであれば、複雑な手順を踏む必要はありません。
誰もが無料で入手できるAndroid SDKをUbuntuに導入し、公式のAndroidマーケット以外でも公開されているアプリケーションをダウンロードしてきて、Ubuntuから直接起動命令をかけるだけ。
エミュレータでの動作とはなりますが、十分なのではないかと思います。
以下に、その手順を紹介していきます。
(1)Java環境を整える
Java環境は本家Sunのものがいいでしょう。
導入手順、既にOpen JDKを導入済みの場合、切り替えて使用する方法を次の記事にまとめてあります。
「Ubuntu 10.10に本家SunのJava環境を導入し、導入済みのopenjdkと切り替える」
(2)Android SDKの入手

下記URLからLinux版をダウンロードします。
http://developer.android.com/sdk/index.html
ダウンロードしたファイル上で右クリック。「ここに展開する」で梱包を解きます。

名前が長いと面倒なので同じく右クリックから「名前の変更」で、「Android」と名前を変えました。

便宜上、この「Android」フォルダをホームディレクトリの直下に置いたものとして説明していきます。
(3)最新のSDKパッケージのダウンロード&インストール
「tools」フォルダ内の「android」というファイルをダブルクリック。

「実行する」を選びます。
「Android SDK and AVD Manager」が起動します。

「Settings」を選択。
「Force https://〜〜」にチェックを入れます。
「Installed Packages」を選び、「Update All…」をクリック。

別窓が現れて、入手可能なパッケージの一覧が現れます。
「Accept」を選んで、「Install Accepted」をクリックして、入手可能なパッケージをダウンロードしておきます。

インストールは自動で行われるので、しばらく待ちます。
終了したら「Close」をクリック。
(4)Android 仮想デバイス(AVD)の作成
いわゆる仮想のAndroid機ですね。昔は携帯電話機しかなかったのがタブレットサイズの画面の仮想マシンを用意できます。

「Name」にはわかり易い好きな名称を。
「Target」は、Androidのバージョンを指定します。
「SD Card」は、サイズを指定。
「Skin」が画面サイズです。「Resotution」で自由に解像度の設定ができそうですが、現状のAndroidの対応からすると、大きすぎる解像度の指定をしても動きません。「Built-in」の一覧から選ぶのが無難のようです。
「Hardware」は、「New」をクリックして、SDカード、Deyboard supportなど、マシンの仕様を指定していきます。
「Create AVD」で仮想の端末が作成されます。

処理が終わると、作成された仮想端末の仕様が一覧で確認できます。
(5)仮想Android機を起動!

いよいよ仮想Android機の起動です。「Start」をクリック!
ANDROIDという小さな文字表示が、Androidのロゴに変わり、起動します。

ホーム画面が現れたらマウスで操作していきます。

Ubuntu 10.10からはマルチタッチにも対応しているので、今後はより本物の機種に近い操作感が得られるかも知れません。

Webページがちゃんとスマートフォン対応の表示になっているか、チェックもできますね。

(6)日本語化
「Settings」をタップして、日本語化しておきましょう。

「Languate & keaboard」を選択。

一覧から日本語を選択すればOK。
(7)Androidアプリケーションの入手
Androidのアプリケーションは、公式にはGoogleが運営する「マーケット」から有料/無料のアプリケーションを検索し、ダウンロードするわけです。このようなエミュレーション環境でもマーケットにアクセスしてダウンロードする方法もあるのですが、ちょっと面倒。
開発者の方がブログなどで公開している場合もありますが、ネット上には自由にダウンロードできるように集約したサイトが多数あります。

http://www.brothersoft.com/mobile/android/
中には人気のアプリを多数まとめてダウンロードできるようにしているところも。
Androidのアプリケーションは拡張子が「.apk」

Ubuntuのどこかわかりやすいディレクトリに保存しておきます。
(8)コマンドのパスを通す
Androidアプリケーションの起動には簡単なコマンドを用います。

Android独自のコマンドがSDKの「tools」フォルダの中に多数入っています。
それをUbuntuの端末が所在がわかるようにします。これを「パスを通す」と言います。
ホームディレクトリの中にある隠しファイル「.bashrc」をテキストエディタで開きます。
上の画像の例のように、最下部にでも「export PATH=${PATH}:」に続けて、Android SDKの「tools」フォルダのディレクトリをフルパスで書いておきます。
「保存」をお忘れなく。
(9)ダウンロードしたAndroidアプリを仮想Android機にインストール
Ubuntuの端末を起動します。

「adb install」が、インストールコマンド。
続けて、「apk」パッケージの置き場所を指定します。
仮想Android機の構築の際に指定したAndroidのバージョンによっては動かないアプリもあったりしますので、ご留意を。
Facebook, Google,Simeji, YouTube,Googleマップ、Swift=Twitterなど、追加インストールしたアプリのアイコンが表示されて、利用可能になりました。

日本語入力環境としては定番のSimejiも、設定して、利用可能です。

(10)すぐに起動できるように、ランチャを作成しておくと便利
仮想Android機の起動の度にSDKを起動する必要はありません。
デスクトップにランチャーを作成すれば簡単です。

デスクトップ上で右クリック、「ランチャの生成」を選択。
コマンド欄に、次の要領で記入すればOK!!
/home/(アカウント名)/Android/tools/emulator @(仮想マシン名)

以上、UbuntuでAndroidアプリを動かす方法についてのご紹介でした。
さてさて、冒頭の、「Android Execution Environment」のその後が気になって調べていたら、日本人の方のプレゼン資料を発見。
Android on UbuntuでUbuntu側からAndroidのアプリを起動する(2010年09月30日)
組み込み系の開発をなさっているんですね。
9月初旬に中野サンプラザで開催された「Japan Technical Jamboree」におけるプレゼン/デモの模様が下記URLで映像として拝見することができます。
http://www.celinuxforum.org/VideoArchive/JJAM34_4.html
先程のブログ記事には、「Ubuntu側からAndroidのアプリを起動するためのスクリプト」が紹介されています。かなり簡単で目からウロコです。