■「OSが主役」であった時代の終焉(?)
1975年にマイクロソフト社を創業以来30年余り。ビルゲイツ氏がこの7月に第一線を退いた。
IBMを始めとするメインフレーム・コンピュータによる中央集権型の大型コンピュータが主流であり、一部のテクノクラートかマニアだけのものであったコンピュータというものを、一般に解き放ち、Windows以来、OSのシェアを大幅に伸ばし、今では全世界で年間2億7000千万台出荷されるパソコンのOSの9割を越えるシェアを握るに至らしめているマイクロソフト社。
「パーソナル・コンピュータ&ソフトウェア」の時代を牽引してきたMSも、ビルゲイツ氏の引退に合わせるかのように、その牙城が揺らぎ始めている。
もちろん2007年1月にリリースしたWindows Vistaの不振という事もあるが、新たに押し寄せる「ネットワーク&サービス」の時代の波に少しずつ、その楼閣が削られつつあるのだろう。
この「ネットワーク&サービス」の時代の覇権を伺うGoogleに遅れを取り、急ピッチでデータセンターの建設を進めるマイクロソフト社のサイトは現在全世界に20箇所ほど。
一方のGoogleはすでに40箇所を数えようとしており、その投資額は年間で2,000億円を越えるとまで言われている。
今やWebサービスの一つにすぎないがメインとなるサービスである「検索」ではGoogleのシェアは63%。 MS社は 大きく水を開けられて、3%を切り、Yahooの買収に走った事が連日のように報じられた。結局は、YahooがGoogleとの提携を表明することにより、MS 社の目論見が水泡に帰す結果となってしまったわけだが。。。
■「サービスが主役」の時代の訪れ
GoogleのWebサービスはすでに非常に多岐に渡っている。中には、「Google Apps」に見られるような、企業のIT基盤をも置き換えるほどのものもある。
日本大学が全学のメールシステムを「Google Apps」に置き換えた事が話題となったが、今では多くの企業がこぞって導入しはじめている。
日本大学は全学で、Google Appsを採用
ビジネス系SaaSの寵児、セールスフォース.com社は、「No Software」を標榜し、顧客管理システムに止まらず、基幹系システムのすべてをSaaS(Software as a Service)に置き換えてしまう野望が見てとれる。
一方、ネット書店だと思っていたアマゾンは、「EC2 」により、仮想サーバを格安で時間貸しするサービスを始めている。
今や小売業に止まらず、ITサービス企業に至るまで急速に業務範囲を広げているわけだ。
検索に止まらず、電子メール、スケジュール管理、地図、オフィス文書作成、データ保管、ファイル共有、エンターテインメント・・・ありとあらゆるサービスが Web上で繰り広げられている。
Webアプリとまで言われるようになったサービスは、OSそしてパッケージソフトウェアの存在感を薄れさせてしまいつつある。
■「ここまで来たら、OSなんてなんだっていいじゃん!」
集中と分散を繰り返してきたIT環境。
コンピュータ・リソースは再び「集中」している。
しかし、昔とは「かたち」が違う。
昔の場合は、「神殿」のような場所に置かれていたのが、今や「雲の中」だ。
昨年秋ごろから「クラウドコンピューティング 」という文字が見られるようになった。
その昔、コンピュータを「ブラックボックス」になぞらえて語られた事があったが、今度は「雲」である。
電気コンセントのようにネットワークがコモディティ化し、ブロードバンド化さらにはユビキタス化が進み、ネットワークにつながっているのが当たり前になる。
今までパソコンというブラックボックスの中で、CPUやメモリが行っていた命令の処理、記憶を、「雲」が行ってくれるのである。
それらが、Ajaxなどの技術のおかげでストレスなくローカルと変わる事なく行われてしまうのである。
ましてやグーグルが始めた「App Engine」では、誰でもがグーグルと同様なサービスを開発することができるというもの。
もはや、極論だが、OSの役目はWebブラウザだけを動作させれば良い・・・という所まで追いこんでしまう勢いだ。
一般生活者には、雲の中は見えないし、見る必要もない。
「雲」の中に隠れるコンピュータは、Googleの場合、アイオワのトウモロコシ畑のど真ん中のとてつもなく広大な土地に、果てしなく並んでいるわけだ。
そのようなサイトが全世界の拠点に建設が進められている。
■「サービスが主役」となる時代のOS
2007年秋に発売されたEeePCが火を点けたUMPC(ウルトラ・モバイルPC)ブーム。
話題を呼んだHP 2133 のスペックは、メインのマシンとしても申し分ないもので、6万円を切る設定。
6月24日深夜にネット販売を行い、即完売となっている。
同様なサイズ、価格帯で、性能が高いマシンが先日のComputex 2008 Taipeiで多数発売された。
10月に開催される日経IT Pro Expoでは、ボーナス商戦に向けて、きっと大いに盛り上がることだろう。
同時に、携帯のインテリジェンス化がますます進み、インターネット端末としての重要度がますます向上しつつある中で、
ケータイとPCとの間に位置付けられる「MID」(モバイル・インターネット・デバイス」のOSとしてUbuntu Mobile Remixが名乗りを上げたわけだ。
「もう、そんなに早いパソコン、要らないんだよね。」
「もはやOSがでしゃばる時代は終わりさ。」
IT環境において、「OSが主役であった時代」は、ゲイツ氏の引退と共に終焉を遂げようとしているのだろう。
「Serviceが主役」となるであろう、これからの時代。
そんな時代が訪れつつあるからこそ、私にはUbuntuが、すんなりと受け入れられているんだなぁと・・・感じている。
そんな理由について、当ブログでこれからも書き続けていきたいと思っている。
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