このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマーク - 話題のGoogleのデータセンターの内部を公開した映像について、私なりの解説を。 このエントリをつぶやくこのWebページのtweets Googleブックマークに追加 Bookmark this on Delicious

映像へのリンクはこちらから

Googleの本社は、サンフランシスコ空港からフリウェイ101号線で45分ほどサンノゼ方面に南に走った所にあるスタンフォードの隣町、マウンテンビュー市にあります。
実は私が勤めていた会社が、本社移転のために売却して、Googleがカフェテリアなども含めてほぼ居抜きで使用しているのは、ほとんど知られてない事実だったりします。

2006年ごろまでは、データセンターの建設中の様子が写真付きで雑誌などで紹介されていたものですが、完成後に稼働している状況については、書籍などで紹介されたりしてはいたものの、決して公開されることはありませんでした。

しかし、当ブログの読者の皆さんはすでにご存知かと思いますが、先月、マウンテンビューで行われた「Efficient Data Center Summit 2009」において、ビデオツアーと称して、Googleのデータセンターの内部が映像で初公開されて、反響を呼んでいます。

今回はUbuntuとは直接関係ありませんが、このビデオ映像について、私なりの解釈を交えて解説させていただければと思います。

運送用コンテナにつんだまま稼働するサーバ

Googleのデータセンターには、コンテナに格納されたサーバが設置されて稼働しています。
10年ほど前にサービスを開始し始めた当初、検索を無料で提供するためには、メインフレーム上で動かすことはできず、安価なハードウェアで運用するしかありませんでした。
それ以降、ごく普通のパソコンと同じアーキテクチャのIntel, AMDのCPUを搭載したサーバを超並列で稼働させることによって、スパコンを凌駕する性能をもつマシンを自分たちで開発し稼働してきています。
コンテナに積んだサーバをトレーラーで組み立て工場から運搬し、設置したらすぐに稼働開始できるように、新しいサーバとすぐに入れ替えができるようにメインテナンス面でも工夫が施されているわけです。

映像内のコンテナの場合、1つのコンテナには1,160台のサーバが搭載され、このデータセンターには45のコンテナがあるので、52200台のサーバが稼働していることになります。
その電力消費は、総量にして11,250KWに及ぶことに。”情報発電所”などとも呼ばれる次世代データセンターにとっての最大の課題は電力。
電力は、コストに跳ね返るので、エネルギー効率アップと、マシンの発熱に対する冷却が必須のテーマとなっているわけなんですね。

今回のサミット開催で、情報を公開した理由の一つが、環境問題が取り沙汰されている現在、 Googleとして効率性の普及に貢献できればという想いからであると、講演の中で述べられています。

フリークーリング

データセンターで重要なのが冷却。5万台のサーバから発せられる熱は相当なものとなるわけです。
Googleのデータセンターは、豊富な水を使える川などの近くのロケーションに建設しており、莫大なエネルギーを要する冷凍機による冷却を用いず、フリークーリングという方法で冷却を行っているそうです。
フリークーリングとは,冬期、春秋に冷凍機を用いずに冷却塔によって,直接的に冷却。 春秋・冬期の冷水を取り置いて夏場の冷却として用いるものだそうで、24時間オンライン稼働の電算センタ,冬期冷房を要する工場空調などで冬期の冷熱源として利用されているものです。
特に、映像の中でも登場している通り、Googleでは、配電や冷却、さらに暖気と冷気が混じらないようにする配管設備に独自の取り組みを行っているそうです。

コスト削減のための内蔵型バッテリ

通常のデータセンターは、地震などの災害が起きて停電となりメインの電源に障害が発生した際に、発電機が始動するまでに動く、無停電電源装置(UPS)があります。つまり巨大なバッテリを用意しているわけです。しかし、これがバカ高い。本体はさることながら、保守費用を含めると、CIOが、なんとか削減できないものかと考えるコストとなるものです。
映像に出てくるように、カートリッジ式で、サーバに電源を組み込んだ方が安価であり、サーバの数に直接比例するだけのコストで済むということで、この方式を採っているそうです。実に合理的です。
Googleサーバの高さは、2Uに相当。これには、2基のプロセッサと、2基のハードドライブ、そしてGIGABYTE製マザーボードに取り付けた8つのメモリスロットが。
CPUは、AMDとIntel製の両方のx86プロセッサを併用。そのバッテリ設計をネットワーク装置にも採用しているそうです。

PUEの向上

さらに映像の中には、PUEという言葉が登場します。このPUEとは、電力利用効率(Power Usage Effectiveness)のこと。データセンターのエネルギー効率に関するパフォーマンス指標となります。
「The Green Grid」という業界団体が開発した指標で、満点の1.0は、余分なコストのために消費されている電力がまったくないことを意味し、1.5となると、コンピューティング用電力の半分が補助的なサービスで消費されてしまっていることを意味します。
Googleの発表資料では、この数値が現在では1.19へと減少しているそうです。

こうして見てくると、
Google、波で発電・冷却する水上データセンターの特許を出願
・・・などというニュースも、なるほど、と思えるのではないでしょうか。

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