このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマーク - Ubuntuによる"クラウド効果"にマイクロソフトが脅威を覚える理由とは?・・・CNETの記事より このエントリをつぶやくこのWebページのtweets Googleブックマークに追加 Bookmark this on Delicious

2007年の秋頃から話題になり始めた「クラウド・コンピューティング」。当初はそれこそ「雲をつかむような」話でした。
しかし、この1年半の間に、環境は一変。
GoogleのWebサービスの充実、特にGoogle Apps Engineのような無料で利用可能な開発プラットフォームのサービス開始、あのTwitterなどの様々なWebサービス/アプリがAmazonのEC2/S3上で稼働している事実、SAAS界の寵児”Sales Force.com”の成功。
一方で、IBM、HP、インテルなどが全世界に莫大な費用を投じ、急ピッチでデータセンターを建設。エンタープライズ向けに本気でクラウド環境を準備しつつあります。
極めつけとして、マイクロソフト社までもがクラウド対応の「Windows Azure」を昨年10月末に発表しています。

一方、UMPC、ネットブックの出現が、まさにクラウド・コンピューティング時代の幕開けの象徴となり、爆発的な普及によりPC環境を大きく変えようとしています。
Intel社Atomのさらなる普及、巻き返しを図るARMによる超低電圧&低価格チップを搭載したモバイルデバイスの出現によってPCや家電を取り巻く環境はさらに大きく変貌を遂げていくことでしょう。

奇しくも昨年秋に起こったリーマンショック。それは金融資本主義の終焉を告げると共に、新たな時代の到来を告げる象徴かと。歴史を振り返れば大きなパラダイムシフトが起こる前触れには、いつも必ず大きなショックが起きてますものね。

来年、21世紀を迎えて丸10年となる節目の年には、次世代ネットワークNGNやWiMAXの本格稼働、一方モバイルでは第四世代ネットワークの建設が開始。
5年後には撮影したデジカメ写真はもとより、ハイビジョンカメラで撮った映像が、ディスクに収録されるのではなく、ネットワーク経由で自分のサーバに即座に格納される世界が実現できているかも知れません。

このように徐々にベールを脱ぎ始めたクラウドコンピューティングの世界では、ソフトウェアがネットワーク上で稼働し、データ管理も一体化したものとして提供され、いつでもどこでも自由に様々なサービスを受けることができるようになります。今後の発展によっては、コンピュータ業界、通信業界のみならず、家電業界、メディア業界、自動車業界、製造業に至るまで、あらゆる業界の製品/サービスの構造を根こそぎ変えてしまう可能性を秘めているといってもいいでしょう。

さて、これから数年かけて大きな変革を遂げていくであろう”クラウド”コンピューティングの世界の中にあって、CNETの記事で、今回のエントリの表題としている”Why Microsoft should fear Ubuntu’s cloud efforts“という興味深いタイトルの記事が。

WindowsとUbuntuとを対峙させた方が読者ウケするという筆者の思惑が見え隠れする記事なのではあります。というのも、筆者が主張している以下の4点はUbuntuに限らず他のディストリビューションでも実現可能なものだからです。

・・・とはいえ、この記事を、これからクラウド時代に向けてオープンソースが爆発的に普及する・・・という意味でとらえれば興味深い記事といえるかも知れません。

  • Ubuntuサーバによって、100%オープンソースのソフトウェアを通じたクラウドコンピューティングの普及が促進される
  • クラウド環境を構築/管理するにあたって、Amazon APIを便利に活用できるツールがUbuntuに追加される予定
  • Canonical社は、Karmic Koala(9.10)の標準Amazon Machine Images(AMI)を提供。これによりAmazon EC2の利用者はサービスへログイン後、ほんの数分でUbuntuサーバを稼働開始できることに。
  • 米カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校で生まれたEucalyptusプロジェクトの成果がUbuntuに搭載される。

本来であれば、2008年6月30日でWindows XPのサポートが終了する予定であったにもかかわらず、Vistaをまともに動かすことができないUMPC、ネットブックの出現で、サポート延長を余儀なくされたマイクロソフト。この決断をしておかなければ、100万に至る新規Linuxユーザが生まれていたかも知れないわけです。
実際、日本以外のアジア、欧州、南米では、ここ1〜2年でデスクトップLinuxユーザが一気に増え続けています。
・・・とは言ってもまだ全世界の稼働台数11億台の1%に過ぎませんが。

すでに幕が開かれたクラウドコンピューティング時代に起きた”一つの大きな波”をしのいだマイクロソフト社。
しかし、もう一つの大きな波となったyahoo社の買収は失敗に終わっています。
これからの激変の時代、いくつもの大きな波が起きていく中で、このCNETの記事の内容は、一見取るに足らないものと思われるかも知れませんが、Ubuntuだけではなくオープンソース全体として読み替えると、とてつもなく大きな波となる予感がしています。

今後数回に分けて、Ubuntuを中核にとらえたクラウドコンピューティング環境について、特集していきたいと思っています。

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